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熊田 博明; 岸 敏明; 堀 直彦; 山本 和喜; 鳥居 義也
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.115 - 119, 2002/09
現在実施されている熱中性子ビームによるBNCTでは、患者頭部の照射領域外の正常組織に対する照射線量を抑えるため、濃縮リチウム入り熱可塑性プラスチック(リチウムヘルメット)をターゲット領域周辺に取り付け、照射領域を絞って照射を行っている。しかし、将来実施が期待されている熱外中性子ビームを用いたBNCTにおいては、このリチウムヘルメットでは熱外~高速中性子ビームに対して十分な遮へい効果が期待できないため、これに代わる技術が必要であった。そこで、ビーム孔部のコリメータを板厚6mm幅108.5mm奥行き60mmのフッ化リチウム入ポリエチレンのスライドを多数重ね合わせ(左右30枚ずつ)、任意のビーム孔形状を設定可能なマルチリーフコリメーターの開発を行った。このマルチリーフコリメータをBNCTに適用することにより、患部外の正常組織への線量を抑え、ターゲット領域に対して適切な線量を与えるBNCT照射の実施が可能となる。このマルチリーフコリメータの検証結果と性能について報告を行う。
坂根 仁*; 宇野 喜智; 前川 藤夫; 春日井 好己; 今野 力; 金子 純一; 池田 裕二郎
Reactor Dosimetry: Radiation Metrology and Assessment (ASTM STP 1398), p.375 - 382, 2001/00
原研FNSの14-MeV単色中性子源にコリメータ及び遮蔽体を設置し、14-MeV中性子ビームを利用可能にした。遮蔽体は鉄製プリコリメータ(厚さ50cm)及び鉄(120cm)、ポリエチレン(40cm)、カドミニウム(100cm)、鉛(20cm)からなるメインコリメータで構成されており、コリメータ径は2cmである。コリメータ出口における中性子ビーム特性をシンチレーション検出器やイメージングプレートにより実験的に、またMCNPコードによる計算で調べた結果、最大14-MeV中性子束は約210n/cm/sであり、これと比較してビーム領域外では中性子束が4桁以上低いこと、及びビーム中の14-MeV中性子成分の割合は99.9%以上に達することが分かった。応用の一例として2次線生成断面積測定を行い、従来のパルス中性子に比べて2桁以上効率の良い測定が実現できた。また優れた近接性や低バックグラウンドが達成されていることが示され、今後の利用が期待される。
大山 幸夫; 前川 洋
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 245, p.173 - 181, 1986/00
被引用回数:7 パーセンタイル:70(Instruments & Instrumentation)DT中性子場での平板体系の角度中性子束スペクトルの測定法が開発され、その特性が調べられた。このような実験は核融合のブランケットの研究に有益な情報を与える。中性子コリメータが平板体系表面上の測定領域を限定するため用いられ、その検出器・コリメータ系の応答関数が決定された。測定には2つのバイアスをもつ飛行時間測定系がNE213シンチレーション検出器の正確な効率を得るために波形弁別回路とともに用いられた。スペクトル測定の結果は、計算による結果と比較された。測定スペクトルの評価誤差は5%以内であった。
大山 幸夫; 前川 洋
JAERI-M 83-195, 74 Pages, 1983/11
円筒型酸化リチウム平板体系に15MeV D-T中性子を照射し、体系の表面中心から漏洩してくる中性子の角度依存スペクトルを0.5から15MeVのエネルギ範囲で測定した。円筒平板は2次元体系における多重散乱中性子の角度依存性を調べるために採用した。実験は核融合中性子工学のための核データと核計算法を検証するためにおこない、体系に対する入出力スペクトルの測定結果を図と数値表に編集した。また、実験条件、誤差等についても詳細な議論を行った。中性子スペクトルはNE213を用いた飛行時間法と良く絞ったコリメータ系を通して測定した。測定においては、体系の厚さと漏洩してくる角度をパラメータにした。実験値の全系統的誤差は、中性子束の大きさに対し-2から+6%の範囲であると評価した。